6 最悪
夕方になったから晩御飯の準備にかかる 食料品は日本から送ってたし
タイからも持ち込みコロンボからも買ってきた 街で野菜や卵も買ったし、、
カミイと違ってプラディープには料理のしかたを教えてないから教えながら作る
毎日キャベツの千切りしたりするのは面倒だから覚えてもらわなくては

レンジでチンして御飯が出来る、、え? 温まっていない?
昨夜も昼間も動いたし新品だから故障じゃないと思うし、、何故?どうして?
しかたが無い 去年と同じにカセットボンベのガスで12分 煮よう、、

サラダや他のオカズは出来てたから部屋で ひと休み、、
あれ?エアコン 風は来るけど冷えてない??リモコン誰かいじったかな?
リモコンで温度を下げてもピッと音はするがコンプレッサーは動作しない?
部屋は閉めきってあるから かえって外より暑く感じる、、どうして?

暗くなってきたから広間の蛍光灯を点けようとしたらダメ!
やっとピンときた!電気が足りない!電圧は70%以下に下がってる筈だ、、
だからレンジ庫内灯は点くけど温まらない エアコン風は来るけど冷えない

皆が電気を使う時間になれば電圧が下がってしまうらしい、、
街中は電柱のトランス近いから どうもないけど この近くでは、、、
諦めてエアコンのコンセントを抜きドアを開け放ち換気をした、、

御飯を食べてからシャワーを浴びようとしたら温水が出ない!
あ!これも電気温水器だ!生活の基盤が電気に頼る日本では考えられない、、
しかしTVや扇風機は動いてる 電気が足りなくても頑張って働くから嬉しい、、

夜の9時過ぎになったら蛍光灯が勝手に点灯した スイッチ入ったままだった、、
俺の部屋の照明は電球バルブに差し込むタイプの蛍光灯だが こちらは関係無し
たぶん これはインバーター方式だなって勝手に解釈、、
明日 部屋の照明は全部このタイプに切換えよう、、

食事の時間にマドゥが遊びにきた 俺を街で見かけたって他の人から聞いたと言う
クリスマスカードに書いて ずいぶん早く投函したのに着いていないって?
この国に出した手紙は以前にも数通消えてる、、
中に金でも入ってると思うのかカードのような内部が透かして見えない時に限って、
(小さく1x2.5cm位に折り畳んで黒カバーを付けた札はお金と思わないのか届く)

マドゥに去年「この貰った金で双眼鏡が買える?」って言われて預かった現金で
依頼の品を持ってきた 彼に見せてたら「あれ?こっちは」ってもう1つの折り畳み式を
それはJCBカードのポイントで貰える800点の景品(出来は良かったよ!)
俺「どっちでも好きなのを選べば」って言ったら すごく悩んでる、、

結局 最初見せた方を選んだが値段がどちらが高いのか気になったみたい、、
どっちだって彼から預かった金は少しだったから買えないのに、、、
彼が選ばなかった方がナンディカへのプレゼントになった
「時計と此れ どちらを選ぶ」って聞いたら双眼鏡を選んだから、、
(商売のサファリガイドで客に貸してチップを貰おうって作戦だそうだ)

TVゲームをTVに繋ぐ 彼等3人共 ビックリ顔! 
そうだね映画みたいに精巧な画面のゲームなんて君達 初めてだよね、、
プラディープの妹達や両親もドアの所から覗いてる

見本に俺がゲームして恐竜から上手く逃げるの見て彼らも真似するが すぐヤラレル
そりゃ年季が違う でも彼等メチャ興奮して遊んでる、、
う〜ん早くHしたいのに、、皆それ処じゃ無いみたい、、早く寝ようよ〜!!


7 身分
結局 夜11時過ぎになって寝る事になった
でも、、Hを始めようとしたら新たしいマットに被ったままのビニールカバーが
グリュ キュッと特有の摩擦音が出て部屋の外に洩れそう、、

仕方が無いからベッドの下の古いマットに移動、、大丈夫かな、、、
勿論 音はしないけど昨夜の虫刺されが赤い斑点もっと目立つようになってるし、
今晩も こんな目に遭うのが怖い、、痒みも収まらないし、、
でもスケベ心が勝って勇気を奮ってやっちゃった!

結果は大丈夫だった 日光が効いたか殺虫スプレーが効いたか判らないが
翌朝も昨夜のままだった これで一安心!
しかしエアコン無しの締め切った部屋でHするのは汗ダク、、
妹達が居なきゃドアを開けたままエアコン付けてH出来るけど、、マズイよね、、

朝 マドゥに「部屋にエアコン無いから夜は来なくていいよ 昼遊ぼう」って言った
そう去年迄はエアコン無かったから暑い昼間はゲストハウスに避難してた
今年も同じパターンにしよう 違うのは昼Hして夜は安眠って考えた事
プラディープの家族とゆっくり共有した時間を持つには それが良いかも、、

カミイの家と違い この家では家族って云う処まで進展していない
俺自身も家族と考えるかリゾートの同居人と考えるかは まだ微妙、、
現在 お互いの考えを探りあってる最中だと言える
プラディープの人間性は既に理解してるつもりだが共感出来るかは是からの問題だ

今の所 命令形で指示を出すしかない 普通に要望しても命令と受け取るし
そうでない会話は 聞くだけで全く改善されない
お金持ちの家族の一員になるか お手伝いさんで終るかは彼等しだい
ただタイと違って俺を含めた日本人と彼等の金銭的な貧富差はタイの比じゃ無い

それにタイには無くてココには存在するカースト制度が彼らの考えを縛ってる
子供の頃から「身分」が在って その中で育った彼等に「平等」を教えるのは難しい
頭では理解してるが彼等の望みは「より上のカースト」だから平等とは違う、、
でもカーストって自分の自由になる物じゃ無いしね、、カーストを頭から消すしかないね、、

夜 彼等と過ごす時間が増えたが 何日かしてハッと思いあたった
カミイと彼等 俺にとっての違い、そう「目指す共通目的が有るか無いか」の違いだった
カミイは貧乏からの脱出って第一目的が最初の頃に有って それに向かって努力した
彼等は下位カーストに不満は有っても脱出に向かって努力しようとしないで俺任せ、、
共有出来る時間は有っても 共有出来る努力目標が無い、、、

彼らに「金」って現実は与えられるが「平等」って夢は彼等が考えないと与えられない
平等、金銭抜きでカミイとは「平等」な関係で「持ちつもたれつ」 ここには無い、、
彼らに夢を抱かせて向上心と努力する心を作る事が俺に出来るだろうか、、

まだ知り合ってからの時間は多くない 何しろ1年に1回しか来ないから、、
後 数年経っても彼等自身が今のままなら家族じゃなく同居人で終るかも知れない、、、
それは彼らの考え方一つだから まだ結論は出ない 半々の段階だ、、

話を当日に戻そう
ゲストハウスは去年と同じ場所に決定 ここは部屋は8つ有るがエアコンは1部屋だけ
その部屋を値切って去年と同じに現地人価格の1週間割引きで契約
旅行者には2000Rの部屋(エアコン無しで1400R)だが1日当り800Rになった、、
これはコロンボのツアー会社と契約してるエアコン無しの部屋の値段と同等だから安い!
たぶん俺が話せば この値段は無理だったと思う、、、

これで昼間からスケベ出来るぞ 昼食食べたら こっちに来るって毎日が始まった
さあ男のハントに行かなきゃ ここは家と違って遠慮が要らないから
毎日 何人寝ようが構わない 好きなだけ寝れる  後は キャッチのテクだけが勝負!
心強い味方が居るから通訳もOKさ

だが これが甘かった 勿論寝たけど顛末は次回に、、


8 ハント
だいたいゲストハウスを決める時から ちょっぴり嫌な予感が
俺が去年と同じティッサの外れでいい と言うのに彼らはキリンダって言う
キリンダは海の近くの村で家からの距離が遠い
それにキリンダのゲストハウスではヘクターが生きてる時に嫌な目にあった

日本から持って行ったチョコレートの大袋を部屋に冷蔵庫が無いから
お願いして調理場の冷蔵庫に保存してた(定価500円のギッシリ袋を数袋)
なんと帰る時に外袋は膨らまして見かけは有ったが中身が消えてた
ゲストは俺達だけ、、取ったのはゲストハウスの人達以外 考えられない

プラディープに訳を話すが それならって別のゲストハウスを言う
安いけどエアコン無かったでしょ! 何の為に行くか解かってるの?
去年の所で何故いけないの? 粘って決めた、、

ボーイハントにナンディカのジープで向かう 人が多い場所へって言ったのに 
郊外の人の少ない場所ばかり周る 「友人を紹介するから」とか言うけど 
これだけ周って1人も居ないのはどうして?
たまりかねて街のバスセンターを指定する そばに店や市場が有るから人が多い

ゲストハウスで揉め ボーイハントで揉め 最初のスタートが昼食後の1時過ぎだった
時間をロスして既に4時 早く男を捜さなきゃ夜は家に帰る予定だから時間が無い
ナンディカがジープを停めたから早速 良さそうな奴を捜す

英語を話さない奴が多いから彼らが通訳、、5回アタックして5人とも失敗?
あれ?プリヤンガーやヘクター マドゥ達の時は1発だったのに、、
そこに後から声を掛けられた「おい 僕を覚えてる?」「うん 数年前に遊んだね」
コイツは守銭奴で嘘つきな奴で2回寝て性格が嫌いで 以後 遊んでない

その彼が「この2人 君の言う事を通訳してないぜ 世間話してるだけ」って言う
そして「僕と寝るか」「いや君は歳だ若いのがいい」「よし幾ら出す」「1人100R」
「おい前に僕と寝た時1000Rくれたぞ」
「500って決めて明日の分もって言って来なかっただけでしょ!」

「あ!違うよ君の手数料が1人に付き100Rで男には別に500さ」
「よし10人 集めて来るから1000Bよこせ」「嘘は2回も通じない連れて来てからさ」
「彼は商談に乗った」って言って何処に居るか聞いてから去っていった、、

彼が去ってからプラディープに聞いた「マドゥと交代する?」
何故ハント出きないかは薄々判ってた 恥かしがって遠まわしに言ってる筈だ
相手だって こっちの態度がそうだと引っ掛からない、、ズバッと言わなきゃ、、

映画館?発見!ポスターがいっぱい 若い奴がタムロしてる
俺に手招きしてるから行ってみた 映画館と思ったらビデオ館?
覗いたら映画館みたいに暗くしてあったけど中には20インチのTVとビデオだけ
上映ビデオのポスターだった、、

そこの店主と思われるオジサンが声をかける「見ていかないか」
料金は安いけど興味なし しかし若者達に興味があったから話を続ける
「ファックビデオ等のスケベなのは無いの?」「勿論あるさポスター出せないだけ」

し中で交渉だ! 周りの若い奴らの代金も払って中に入ろうとしたら
プラディープが俺を引っ張る、、ダメって目で合図してる、、
でも君達に任せておくと男は捕まらないよ、ここでスタンバイしてって言って俺は入った

外での態度とは違って急に なれなれしくなる、、オヤジ以外は言葉が通じないけど
タバコやチョコレートの餌をフル活用してコミニケーション
スケベビデオが始まったから そっちを見てる、、起ってるかズボンの上からチェック
皆 元気! オヤジに100R握らせて通訳頼みデカイ奴だけ2人ゲット

2人と外に出る プラディープが入口で心配そうに見てる
ジープを手招きで呼び乗り込ませてゲストハウスに向かった
ゲゲ! あの嘘つき 金が絡むと嘘じゃなかった 4人程連れて来ていた
嘘つきに400Rは払ったけど「また明日も連れてくる」って帰って行った

わー計6人、、時間は6時前、、


9 ゲストハウス
部屋のドアの外やゲストハウスの食堂に残りは待たせてH開始
俺がハントした2人は確認済みだからデカイ でも1人は すぐイッタ、、
もう1人は当り!ただシャワーを浴びてから開始したのに体臭が、、、
最初はOKだったけど汗かくとインド人みたいな臭い、、

あまり好きな匂いじゃないけどSEXが激しいから そっちに負けて続行、、
言い方は悪いけどトイレの中でHしてるような感じ、、、
でも俺の身体が快感を告げて燃えてたから嫌な気はしなかった、、

「嘘つき」が連れてきた4人は無理やり連れてこられたような奴が2名
俺っていう「外人」みてビビッテたけど 帰る時はチョコレート貰って御機嫌だった
ただ その内の1人はビビッテ チンポが硬くならないからHはしなかった、、

もう2人はアイツの仲間って感じの如何にも悪そうな顔の奴
俺としては遊びで付き合うなら遠慮が要らないから こっちが良い
でも それほどHは たいした事が無かったから今回限りでポイだよ、、
それでも帰る時にチップ増額を要求するから「働き次第」だよね、、

思っていたより早く終って8時過ぎ
プラディープ達2人を待たせてたから部屋を出て食堂に行ってみた あらら、、
日本人の宿泊客 数人が食事を待ってる サーファーのグループツアー客で
今日はサファリを見てきたとか、、、

サーファーって若い人ばかりだと思ってたけど40歳位の人も混じってる、
聞いたら会社の社長で「社員一同サーフィン会」だそうで、、??
こんなゲストハウス日本から予約出来るとは思わなかった
「いやコロンボの旅行社でアレンジしたらしいよ」って返事、、
その旅行社きっとホテル代を誤魔化してるよ、(現地ガイドが居るから言えない)

ゲストハウスの主人は盲目なのにタバコの中身を出して器用に詰め替えてる
あ!これは、、大麻か、、(俺は大麻やケシの区別もつかないけど、、)
バンコクのボーイ達が客が居ない時に吸ってる物と同じ匂い、、

それを現地ガイドが客に渡してた 彼ら普通に火をつけて吸い出した、、
なるほど客の注文か、、まあ俺の身体じゃ無いから どうなってもいいけど、、
日本に帰ったら吸えないのに習慣になったら どうするんだろう、、
それとも これの為に来てるのか、、、

「スリランカは良く来られるのですか?」って聞いたら「初めてです」って、、
悪そうに見えない普通の日本人、、まあ吸う奴全部が悪人じゃないし
誘惑に負けて抜け出せない奴だって居ると思うけど、、、

彼らと話してたら彼らの食事が出来てテーブルに スリランカのカリーだ、、
彼ら美味そうに食ってるけど辛くないのかな?
俺も腹が減ったから彼らに お別れを言って家に帰ることにした、、

ナンディカは明日サファリの仕事が有るから来れないって言って
俺たちを送ってから帰っていった 今日はプラディープと二人きり、、
偶には落ち着いてていいよね いつも人に囲まれてたから、、

10 家族
食事してたらプラディープの父が何か言いたそう プラディープに通訳頼む、、
「ヘクターが死んでも私たちを見捨てず援助して貰って感謝してます
前回の冷蔵庫に続き今回はTVや多くの機械を買われたし
御礼をいくら言っても言い足りません、、、しかし、、」

「息子に聞いたら私が彼に選ぶなと言ったホテルを選ばれたそうですね、、
貴方に歯向かう気は有りませんが あそこでは麻薬を吸う人が多いので
貴方の事が心配です、、去年利用された時に息子が売買を見たそうです
そんな所を今年も利用されるとは、、」

「貴方を失うのが怖いのです お金を沢山お持ちですから彼らは売ろうと
するでしょう、、勿論 貴方を信じてはいますが悪い場所には近寄らない方が」
俺「大丈夫だよ!あんな物 俺は自分の身体に悪いと知ってるから買わない」

「でも今日もこの街のゴロツキどもと付き合われたとか、、」
俺「息子さんは良い子ですね 俺も信頼しています でも俺はスリランカに
遊びに来ているのです 彼らは友人とは言えないが遊ぶには楽しいです
だから心配しないで大丈夫ですよ」

そんな会話が食事を終ってからも だいぶ続いた、、
心配は解かるけど 俺からスケベを取ったら何が残るの、、、
場所を広間から俺の部屋に換えて話の続きをした妹達に聞かせたくないから、、

「解かりました 男達と遊ぶなら息子に集めさせましょう 
ホテルは1週間借りたそうですから あそこで仕方ないですね、、」
父はそう言って部屋に帰っていった 心配は ありがたいけどね、、、

彼が居なくなってからプラディープと話した
「なぜ父に行動を全て報告するの 心配するだけでしょ」
「せいちゃんを失えば僕1人の問題じゃ無くなるよ 家族 皆が路頭に迷う
せいちゃんは遊びかもしれないけど僕達は生活がかかってる
昔の御飯も食べられない生活に返るのは怖いよ」

「去年せいちゃんが帰ってから 勤めてた仕事を首になったって手紙送ったでしょ
あの後 2ヶ月に1回 5000円ずつ手紙に入れて送ってくれてるよね、、
書いた通り 首になったのは雇い主のジェラシーだけど今の僕の稼ぎだけでは
家族を食べさせられない 時々手が足りない所に手伝いに行って お金を貰ってくるけど 
あの送金が無ければ今頃どうなってたか、、」

俺「え?去年帰る時 残った金は置いていったでしょ」
「あれは生活費で貰ったものじゃ無いから すぐ家に使ったよ ほら窓ガラス
それから井戸ポンプ せっかく持って来てくれたけど もう付いてたでしょ」

なるほどね、、、中途省略で話は続く、、
「せいちゃんしか助けてはくれないんだ この国の人 この村の人誰も、、」
そこで思い出して以前掲示板で質問を受けたNHK TVで放送したという
互助運動について聞いてみた

彼も知らなかった、、この地区には まだ支部が出来ていないのかも、、
後で数人に尋ねたら出稼ぎに行ってた奴が他で耳に挟んでただけ
誰も実態を知らなかったから全国的な広がりとは言えないかも、、

「せいちゃん もう少し助けてくれない、、僕 仕事をしたいけどお金が無い
ミシンが有れば勤めてた時と同じ店が出せるし 他の仕事でもいい、、
友達はスリービー(3輪タクシー タイのトゥク トゥクと同等)してる
あれは新品で17万Rする、、(うーん25万円位だ、、)」

そんなにお願いされると弱いけど俺に頼りきった依頼は聞けない、、
俺は「アラジンの魔法のランプ」じゃないし、、
でも実際問題としてどんな手を考えたら良いのだろう
失業率が凄いこの国では努力だけでは限界がある、、



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